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情報系をやってるやまたくのブログ.更新頻度は低めかも.

学内限定初心者向けハッカソンを企画した話

どうもやまたくです。

先月、タイトル通りのイベントを開催しました。

思い返すととんでもねえ企画しちまった...と思ったので、記事にして思ったこととかをつらーっと書き残すことにしました。

イベント発足期(2018年6月〜7月)

経緯

本イベントを開催する要因となったものは主に3つ。

まず1つ目は僕がいくつかのハッカソンを1年間経験してきて得たものがたくさんあって、僕と同じようになかなか挑戦への一歩を踏み出せない人にも早いうちから同じような経験をしてほしいと思ったこと。

以前に自分のハッカソン経験をまとめたのでこちらもご覧いただけたらと思います。
pinkie-leader.hatenablog.com

2つ目は僕の大学の教育に関する研究機関でPBL(Project Based Learning)という実践型教育でいきなりチーム開発を行うのは早いので、その前にミニPBLとしてハッカソンをやってみては?という意見が挙がっていたらしいこと。

3つ目は僕が就活をしているときにお世話になった株式会社ローカルイノベーション(以降、親しみの意を込めてローカルさん)が、ハッカソンの運営をやったことがあり(正確には共催としてだったかな?)、たまたまローカルさんの方が大学に来ているときに冗談混じりでハッカソンの企画やってみたいんですよね〜w」って言ってみたら「企画してくれたら協賛企業見つけたりしますよ〜w」みたいな感じで仰ってくださったこと。

僕のニーズと大学の考えのマッチ、そしてローカルさんによる協力の可能性、これだけ条件がそろっているのに今やらないと後悔すると思って、先生にやらせてくれと頼み企画が始まりました。

運営スタッフの勧誘

まず必要だったのは、運営陣の確保

企画をやらせてくれと先生に頼んだ時は僕が1人で頼んだので、運営陣は実質僕とその先生と共同で研究しているもう1人の先生の3人でした。

流石に3人とか吐くので、新たなスタッフを探すことに。。
探すときには、主に以下の条件にあてはまるような人材を探してたかな。

  • イベント運営に興味ありそうな人
  • ハッカソン出たことある人
  • イベントの広告やロゴを作成してくれる人
  • イベント運営やったことある人
  • 第2回があることを考えて大学を卒業しない人

結果、僕がPBL活動で関わっていた後輩1人、先生経由で僕も話したことのあるデザイナーの後輩1人、もう社会人だけどハッカソンの企画/運営をやったことのある先輩が協力をしてくれることに。

よって計6による運営陣でイベントが発足しました。
その後すぐにSlackで組織を作り、会議とかイベントの構想を練り始めました。

イベントの構想練り

とりあえずハッカソンをやろうということだけしか決まっていなかったので、発足当初は基本的なところから固めました。以下のことですかね。

  • 目的
  • コンセプト(というか、キャッチコピー?)
  • ハッカソンの名前
  • ロゴ
  • ターゲット
  • そもそもいつやる?


まず大目的として「PBLを経験する前にチームでの開発を経験する」

これは揺るぎないことだと思う。

小目的で、

  • 何かしら動くものを作れるという成功体験のようなものを得る
  • 挑戦への一歩を踏み出す

という位置付けがしっくりくるかな? 少し自分の考えで書いております。


名前は、PBL前の準備段階ということで、Pre PBLとしての(育成型)ハッカソンというところからP2HACKS(ピーツーハックス)と名付けました。

で、ロゴは「挑戦への一歩を踏み出す」にあったイメージのものをおなしゃすみたいな感じでデザイナーの後輩に任せることに。。


PBLを経験する前に行うことを想定したハッカソンなので、僕の大学の仕組み的に学部1,2年生がメインターゲットに。
もちろんそれ以外の学年もありにしましたが。


いつやるかは、発足が7月で冬季は学生が忙しく、運営の準備も間に合うか不明だったので、春休みの序盤あたりが良いよねと言う話になり2月に開催に決定。
そして学生には心の余裕と履修登録関係や春休み旅行行かれたりすると困るので夏休み明けにイベントの公表をしちゃおうと決定。


また、先生がハッカソン運営に関する記事を見つけてくださり、とても参考になりました。
皆さんも一度読んでみると良いかもしれませんね。

www.eisbahn.jp

参加のハードルを下げるための仕掛け

まず軽く研究室の後輩(B4)とかにヒアリングをしたらハッカソン興味あるけど、怖くて参加できない」という声がちらほら。。

わかる。。それな。。という心の声がちらほら。
なるべく参加のハードルを下げる必要がありました。


そういう人のために、ハードルをめっきり下げました。
我々が考えたのは、

  • ハッカソン前に勉強会をやる
  • ハッカソン当日に先輩のヘルパーがつく
  • 初心者部門と経験者部門に分ける
  • 学内のみのクローズなイベントにする
  • 事前開発あり
  • 開発テーマを早期のうちから公表する

なるべく戦う土俵を平らにするように意識しました。

オープンなイベントだと、極論を言えば東大や北大、名大、阪大みたいな名前を聞くだけで震え上がりそうな学力を持つ大学の学生高専みたいなもともと実力のありそうな学生が集まりそうなイメージがあるのかなと思い、敢えてクローズで、身内でやるようにしました。



それに加えて、まだプログラミングの基本がわかってきたくらいの時期の学生をターゲットにしているため、技術補助として勉強会や当日のヘルパーを用意することを考えました。

なるべく成果物を生んでほしいのと、割と簡単に成果物って作れるんだということを体験してほしかったので。。

イベント公表準備期(2018年8月〜9月中旬)

共催

ローカルさんとは発足期の時点で関わってはいましたが、僕が大学側との仲介役みたいな役割で関わっていました。

でも、今後も深く運営に関わって行くはずだと思ったのでSlackに招待してローカルさんの方々ともすぐに相談できるようにしました。


同時に、共催という立ち位置でローカルさんには入っていただくことに。。

主にローカルさんにお願いしたことは

  • 協賛企業(スポンサー?)の募集
  • 協賛金の管理
  • 過去のハッカソン運営の経験をもとに本イベントのアドバイス

大学側では賞品やお菓子みたいな差し入れに使うような予算は準備できないそうで、そのような経費を協賛金として企業さんから募る必要があったため、お願いしました。

協賛企業は、ローカルさんによる公募に加え、運営学生側の就活時の人脈フル活用で募りました。
学生側で企業さんに話しかけて、イベントに興味を持ってもらえたらローカルさん側でお金関連のことはお願いする、、みたいな方法で各企業さんに話を持ち掛けたりしていました。
全部が全部そうではありませんが。


今回の協賛企業集めでキモとなるのが、ハッカソン参加者のターゲットが就活生ではなく学部1,2年生であるということで、採用目的とすることができないという点です。
よって、協賛企業のブランディング目的として、あくまで就活をする前に企業さんのことを知るきっかけになったらよいねくらいのスタンスで協賛していただけるような企業を募集していました。


また、P2HACKS前に過去に先輩が企画したハッカソンで共催をやられていたこともあり、それに従える箇所は従うように、過去の事例からいくつかアドバイスをいただきました。

公表に向けてやったこと

はじめてのイベントで何人の学生が参加してくれるかはブラックボックス状態だったため、集まらないよりかは集まりすぎて困りたかったので広報活動を頑張ろうと思い学内向け(たまに学外向け)にいろんなことやってました。

Webサイトの作成

はじめてGoogleサイトを用いてサイトを作成しました。
融通はそんなに利かないかもしれませんが、結構簡単に直感的に作成することができたのでラクでした。
しかもそれなりのクオリティになったので、最近のサービスはすげーってなってました。 作成したWebサイトはこちら。

p2hacks.c.fun.ac.jp

イベント公式Twitterアカウントの作成

そしてもはや生活の中のインフラとなりつつあるTwitterを活用。
僕の大学の学生ならTwitter見てる人がたくさんいるので、使えるものは使わないとね。。

twitter.com

ロゴの完成

後輩デザイナーに任せていたロゴが完成しました。

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P2HACKS公式ロゴ

挑戦する一歩を踏み出すからその足跡を連想させ、自分が中心、その左右に一緒に歩みだす仲間の足跡を並べたことにより、「仲間と一緒に挑戦への一歩を踏み出す」がうまく表現されたかと思います。


やっぱりうちの大学のデザイナーは強い。
(なんか定期的に思ってるような気がする)

イベント公表・エントリー受付期(2018年9月下旬〜10月)

広報活動

公表に必要な準備はある程度完了したため、夏休みが終わり後期が始まった日の1日目昼休み、賽は投げられた...!

WebサイトやTwitterアカウントの一斉公開、大学の力を使って全学生向けにメールでのイベント告知。一気に情報を流しました。



案外普通なことでしたw



他にもイベントポスターを作成して学内掲示板に張り出したり、謎のオブジェクトを作成したりしました。

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イベント告知オブジェクト

説明会

ここまでWebサイトやTwitter、メール、ポスターといった運営陣の顔が見えない方法で告知をしていたため謎の組織によるイベント感が強かったので、直接運営側が表に出て説明した方が良いと思い説明会も行いました。

直接人が説明する方が話を理解してもらえるかなというのも考えにありました。

説明会当日、20〜30分前に説明する教室に入ったら、もぬけの殻。。

この企画あんまり認知されてないのかなぁとかこれから人集まるのかなぁとか不安になったけど、トイレ行ってる間に戻ったらあり得ないくらい人が入っててビビりました。

これまで頑張って地道にコツコツと告知やってきた甲斐があったなぁ。。

それに1,2年生の学生がたくさん集まっており、ターゲット通りの集客ができたのはよかった。

エントリー総数

最終的に集まったのはなんと12チーム

およそ60名規模になる学生がエントリーしてくれました。
その後就活の関係等でエントリーをキャンセルするチームもあり、最終的には10チームに。

さらに、この10チームは全て学部1年もしくは2年のエントリーとなり、無事ターゲットどおりの集客結果となりました。

当初は5チームくらい集まれば良いほうかなと思っていましたが、その予想を良い意味で裏切る結果となり、ビッグイベントになってうれしかったです。

しかもこの時は協賛企業がつくよ~と言いながらも、まだ一つも確定はしていない状態であったのにも関わらず集まってくれたので、下級生の意欲には頭が下がりました。

勉強会・事前開発期(2018年11月〜2019年2月上旬)

5つの勉強会

当初は4つの勉強会を運営で企画しました。

そして、勉強会をやることを聞きつけた協賛企業である株式会社サイバーエージェントの方々が、ぜひ勉強会をやりたいと仰ってくださったので、追加でJavaを用いたAndroidアプリ開発入門演習も開催しました。

ルーブリックの作成

あくまで偏見まじりの意見ですが、こういう作品を見せて評価する大会ってノリとか勢いで会場を盛り上げたところが勝つイメージがあって、評価者の好みで別れてしまうような気がしていました。

なるべく参加者にそう感じてもらわないように評価軸とその点数の項目を決める必要がありました。

運営陣で作成した評価軸は

  • 問題着眼点・着想点
  • 実行・実現可能性
  • 完成度・動作性
  • プレゼンテーション力
  • チーム開発力
  • 役割分担の適切性

の6つ。

ベースはJPHACKSの審査基準を参考にして、それを初心者向け仕様に編集しました。

はじめてのチーム開発で、役割を誰かに偏らせずにできたかや、今回のイベントでどういう学びを得られたか等。。

でも、当日に、当てはめてやってみたら意外と軸がマッチングしておらず評価しづらいと感じる結果に。。


「はじめできなかったけど、できるようになった子たちの頑張り度や伸び幅みたいなのを評価してあげたかった」みたいな意見があったりしました。

改訂版ルーブリックではより評価しやすいものになるようにしたい。

協賛企業の確定

協賛企業が集まりました。

はじめは4つの企業さんが集まれば良いほうだと思っていましたが、なんと6社も協賛いただきました。

協賛企業さん一覧はWebページでご覧ください。

p2hacks.c.fun.ac.jp

おかげさまでかなり手厚い支援をしていただきました。

圧倒的に感謝です。


また、学内の教育機関からも協賛していただいたことにより、参加者にMacBookや実機デバイスの貸し出しも実現できました。

圧倒的に感謝です。

ハッカソン当日(2019年2月中旬)

運営としてのハッカソン

実は学生より忙しかった...

休む暇なかった...  

次回ができるなら、もっと人員が欲しい...


猫の手も借りたいとはまさにこのこと。

差し入れの買い出し

ハッカソンといえば作業中のお菓子や飲み物の差し入れがないとダメだよねということで、やりました!

車持ちで動ける人員が僕くらいしかいなかったので、街中を爆走してました。車持ちの運営陣ほしいです。。。

ぱりんこでパリンコの文字を作ったときはまだ開発期間中は暇やろって舐めてましたすみません。

魔材タワーはやってみたかったことの一つです。
やれてよかったです笑


また、協賛企業のご支援により差し入れに加えてお昼の弁当・夜食・大会後の懇親会のご飯まで用意することができ、学生の開発期間をより良いものにすることができました。

スタッフも美味しくいただきました。

学生ヘルパー

開発期間中は運営陣と、僕らがスカウトしたハッカソン経験者のエンジニア学生で開発のサポートをしました。

はじめは学生さんも「何を聞いていいかわからない」状態だったかと思いましたが、徐々に慣れてきてたくさん質問をしてくれて、一つ一つ課題を解いていってもらえたのかなと思います。

ヘルパーがつくのはP2HACKSの売りの一つだったので、これが機能してくれてよかった。

つきっきりになったりしていて大変そうだったけど、とても助かりました。

これももちろんヘルパーになってくれる学生を募集しております。

GitHubに障害

2日目の朝、参加者もそろそろ発表の準備にも入ろうかなみたいな時間帯に一足早く会場入りした僕はヘルパー作業をしていました。

そしたら横でGitHubにpushできないみたいな話が聞こえてきて、自分のPCでも確認してみたら確かに繋がっていないっぽい...


GitHubのWebページにアクセスしてみたらページが表示されない...

Twitterで「GitHub」でキーワード検索すると、やはり日本中の皆さんが盛り上がっている...



非常にまずい...!



いつもは、はーやべー皆大変そーって感じだけど、今回はハッカソンGitHubを使って各チームのプロダクトを管理していたので焦りました。

このままだと参加している人たちがプロダクトを見ることができない・マージしていないから各チームが完成形をデモで発表できない等いろんな問題が起こりうるので。。


しかし、1時間少しして障害は復旧しました。

本当に安心しました。
このリスクは想定していなかったので今後気を付けたいところ。。

本イベントの作用

下級生の意識を良い傾向にもっていくきっかけを作れたかなと思います。

受賞したチームはもちろん自信にもつながるし。。

しかし、ここで注目したいのは受賞しなかったチーム。。
彼らは自分たちの無力さを痛感したことで悔しさを覚え、反省点を見つけ出したようです。

自分たちで勉強を始める行動を起こしているのを僕も目にしました。

次に起こす何かしらの行動で、今回の経験をぜひ活かしてもらいたいと切に願います。


今回出場しなかった後輩からも、「次回があるなら出ます」と言ってもらいました。

大学内でP2HACKSの影響が現れて始めていることを感じ、すごくうれしかった。

まとめ

P2HACKSは僕の「怖がっている人たちに一歩を踏み出す勇気を持ってもらい、その先の一歩で得られる経験を大切にする」という願いから始まりました。

もちろん大学側の「チーム開発を経験し、その後のPBLに活かしてもらう」という目的も含まれています。

大学側の目的はこれから達成していってほしいですが、僕の願いは叶ったかなと思います。


僕自身も、前代未聞のイベントの企画を始めるということで、右も左もわからない状態で不安でした。

しかし、結果として50名規模の大きなイベントになったことに加え、クローズ目なイベントであるにも関わらず6社の協賛企業がついて下さりすごく素敵なイベントを実現することができました。

これを実現できたのは、このイベントに少しでも関わってくださったかなり多くの方々の協力があったからこそです。


本当にありがとうございました。


僕はもう卒業して直接的に運営に関わるのは難しくなるかもしれませんが、また何かの形で関わっていきたいなと思ってます。


多分今回の記事だけでは伝えきれない経験をしてきたので、また思いついたらその都度記事にしていこうかと思います笑